データサイエンティストに追い風!! web3時代におけるデータ活用の可能性

先日、「web3時代のデータサイエンスの可能性」というテーマで社内勉強会で発表してきました。その時の発表資料の内容をもとに書き起こしていきたいと思います。

「データサイエンティスト」は21世紀最もセクシーな職業と呼ばれています。AIやビッグデータなどのバズワードの流行と共に、データサイエンティストに対する社会の期待値は高まっており、市場価値も上位の職種となっています。一方で、「AIをビジネスに活用するのは難しい」「そもそも分析できるようなデータは集まっていない」など、各企業が抱える課題に対してデータサイエンティストの力がうまく発揮できないという声が聞かれることも事実です。

データサイエンティストという職業はこの先の未来どうなるのでしょうか。
今回は本メディアのテーマであるweb3の視点でデータサイエンティストの将来について考えてみます。

web3はブロックチェーン技術に基づいて実現される新たなウェブ構想

はじめにweb3とは何かということについて紹介しておきます。

みなさんはweb3と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。Web 1.0、 Web 2.0の続きで新たに生まれた技術であったり、暗号資産やNFTといった具体的なプロダクトかもしれません。どれも間違いではないと思います。ですが、改めて今回は「web3はブロックチェーン技術に基づいて実現される新たなウェブ構想」と捉えることとしましょう。重要なことはブロックチェーン技術が根幹にあるということです。

ブロックチェーンに記録されたデータはオープンデータとして開示される

ブロックチェーンはもともとビットコインを支える技術として世に誕生しました。2008年に出稿されたこちらの論文で、取引をハッシュ化して現在進行中のハッシュ基盤のプルーフ・オブ・ワークのチェーンへ編入し、プルーフ・オブ・ワークをやり直さない限り改変できない記録を作り出す手法。と定義されています。特徴を簡単にまとめると、1. 改ざんが非常に困難 2. 取引記録の削除ができない 3. システムダウンが起きない 4. 自律分散システムと表すことができます。

ブロックチェーンを活用することであらゆるデータに対して、高い安全性でデータを管理することができます。さらにブロックチェーンの多くはインターネット上で実現されている自律分散システムであるため、ブロックチェーン上に管理されているデータはオープンデータとして開示され、誰もが自由にアクセスすることができます。データ分析者にとってはさまざまなデータに触れられるという点で非常に嬉しいことです。

web3時代のデータ活用の準備は整った

ブロックチェーン技術により取引がオープンデータとして公開されることで、データ活用のニーズがさらに増加していくはずです。一方でブロックチェーンには日々大量の取引が記録され続けており、取引履歴から必要なデータを収集したり集約することは容易ではありません。この問題の解決策になるサービスとして、ブロックエクスプローラーやオンチェーン分析ツールに注目が集まっています。さらに、それらのツールを使用しブロックチェーン上のトランザクションからビジネスインサイトを導いたり、市場動向を捉えて新たなビジネスを企画できるようなオンチェーンアナリストの存在も目立ちはじめています。

データ・ツール・人が揃ってきた現在、データドリブンでこれからのweb3時代を切り開いていくための準備が整ってきたと言えるでしょう。

データ管理は中央集権から分散型へ

2020年頃までのweb2の社会では、ユーザー同士は1つのプラットフォーム上でやり取りを行なっていました。具体例を考えてみると、TwitterやInstagramなどのSNS上でメッセージの交換をしたり、最近ではLINEやPayPayを使うことで送金などの取引が可能となったりしています。このように我々は1つの閉じたプラットフォーム上で行なった取引は全てそのプラットフォームの運営側にデータを渡していたことになります。プラットフォーム側の視点に立つと、どれだけユーザー情報を取得できるかが、ビジネスを成長させる一つの要素でした。

しかしこれからのweb3の社会では、あらゆるデータがブロックチェーン上に記録され、そのデータは誰もが自由に扱うことができる状態になります。つまりデータの管理が中央集権から分散型へと移行していくわけです。

ブロックチェーン分析ツールに注目が集まる

日々、ブロックチェーンに記録されるデータは指数関数的に増加しています。そのトランザクションデータから必要なデータの抽出や集約を簡単に行うことができるオンチェーン分析ツールに現在注目が集まっています。

その中でも最も知名度のあるDuneや、learn to earnをキャッチコピーに独自のバウンティプロジェクトを持つFripsideCrypto、トランザクションデータに機械学習を適用しウォレットアドレスにラベリングを行ったウォレットラベルのサービスが人気のNansenなどがあります。オンチェーン分析ツールを開発するスタートアップが続々と資金調達に成功していることからも、注目されている業界であることがわかります。

以下の記事でオンチェーン分析プラットフォームをまとめているのでぜひ参考にしてみてください。

web3業界はデータ分析者を求めている

最後にweb3時代に求められる人材について紹介しようと思います。あらゆる取引がオープンデータとして公開されるということは、今以上にデータドリブンでビジネスの幅が広がっていくことを意味します。そこで重要になるのが、データからビジネス価値を見出すことのできる人材ではないでしょうか。

web2の時代では各企業に所属しているデータサイエンティストが社内データからインサイトを創出していましたが、web3の時代は社内だけではなくあらゆるデータを組み合わせることが可能となります。これからのビジネス成長にはデータドリブンでマーケットの状況をリアルタイムで捉えられる能力が重要となるでしょう。そのためにデータ分析スキルはもちろん、オンチェーン分析ツールやブロックチェーンの知識を持つことはデータサイエンティストにとって大切です。

以下の記事ではweb3に関連するデータサイエンティストの求人情報について紹介しています。

まとめ

今回はweb3時代におけるデータサイエンティストの未来について考えてみました。

ブロックチェーン技術によってあらゆる取引がオープンデータとして公開されるとことは、データサイエンティストにとっては涎が出るほど嬉しいことです。これからのデータサイエンティストには幅広い知識とオンチェーンデータを理解するスキルが求められることになりそうですね。web3時代のビジネスにおける重要なキーパーソンとして活躍が期待されることになるでしょう。

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