本記事ではweb3時代の検索エンジンと呼ばれるブロックエクスプローラーについて解説し、おすすめのプラットフォームを5つ紹介します。是非ブロックエクスプローラー選びの参考にしてみてください!
はじめに
web3時代において、全ての取引履歴はブロックチェーン上に記録され、改ざんや消去のリスクが限りなくゼロであるといえます。そのため全てのトランザクションを一般に公開することが可能となり、誰もが自由に検索・閲覧ができるようになっています。
しかし、ブロックチェーン上に記録されるトランザクションは時間の経過とともに日々増加しており、大量のデータの中から目的の情報を取得することは簡単ではありません。そこで活躍するのがブロックエクスプローラーであり、独自のアルゴリズムによって大量のトランザクションからアドレスやキーワードをもとに目的のトランザクションを探索することができます。
今回はそんなブロックエクスプローラーについて紹介していこうと思います。
ブロックエクスプローラーはweb3時代のGoogle?
ブロックエクスプローラーは、ブロックチェーン上に記録された情報を検索できるオンラインツールです。具体的には、ブロック、トランザクション、アドレスなどに関するデータを過去から現在までの全ての期間から検索できます。
このようにブロックチェーン上のあらゆる情報の検索ができることから「web3時代におけるGoogle(検索エンジン)」とも呼ばれています。検索エンジンがウェブサイトをインデックス化するのと同様に、ブロックエクスプローラーはブロックチェーン上のトランザクションをインデックス化しているでしょう。ユーザーが必要としている情報を見つけるためのツールとして使用されます。
ブロックエクスプローラーによって検索範囲が異なる
ブロックエクスプローラーはブロックチェーン上のあらゆるデータを検索できると述べましたが、もう少し具体的に解説しましょう。ブロックチェーンに記録される情報は参加者の取引履歴です。取引履歴とは送信者と受信者の間でどのような取引を行ったかを一つのトランザクションとして記録したものであり、取引の目的に応じてその内容は様々です。
一般的なトランザクションには以下の項目が含まれます。
- タイムスタンプ
- 受信側アドレス
- 送信側アドレス
- 手数料(ガス代)
- 取引額
その他、メッセージなどのテキスト情報もトランザクションに含めることもできます。実際にテキスト検索のできるブロックエクスプローラーも存在します。
現在、数多くのブロックエクスプローラーが存在しており、取り扱うことのできるパブリックチェーンの種類や検索可能な項目によってプラットフォームの仕様は異なります。各プラットフォームの特徴を理解し、目的にあったブロックエクスプローラー選びが必要となります。
ブロックエクスプローラーおすすめ5選
以下では5つのおすすめのブロックエクスプローラーの特徴についてまとめていきます。
Blockchain.com
Blockchain.comは2011年に世界で初めてローンチされたブロックエクスプローラです。
シンプルなインターフェース上で、ユーザーはトランザクションIDやアドレスなどで検索し取引内容を確認することができます。その他、ウォレット作成や暗号資産取引などもサポートしています。
Blockchain.comはこれまでに3,700万人以上のユーザーが利用しており、8,400万のウォレット作成と1兆ドル以上の取引が行われた最も人気のあるサービスです。2022年3月時点での企業価値は140億ドルと評価されています。
サポートしているブロックチェーンは以下です。
Bitcoin, Bitcoin Cash, Ethereum
Blockchair
Blockchairは17のブロックチェーンに対応しており、近年で人気が急上昇中のブロックエクスプローラです。
トランザクションIDやアドレスによる検索に加えて単語検索が可能です。取引時にトランザクション内に埋め込んだ単語や文章を簡単に探索できる点も人気の理由となっています。
Blockchairは「Search the blockchain world for anything」(ブロックチェーンの世界の全てを検索する)というキャッチフレーズの元、Blockchain.comと比べてもより多くの情報にアクセスすることができます。
サポートしているブロックチェーンは以下です。日本語にも対応しています。
Bitcoin, Bitcoin Cash, Ethereum, Litecoin, Bitcoin SV, Dogecoin, Dash, Ripple, Groestlcoin, Stellar, Monero, Cardano, Zcash, Mixin, Tezos, EOS, eCash
Tokenview
Tokenviewは120以上のブロックチェーンに対応しており、アドレスやトランザクションIDをもとにあらゆる情報にアクセスすることができます。他のブロックエクスプローラーで取り扱いのないブロックチェーンも、Tokenviewであれば見つけられるかもしれません。
Tokenviewは中国で立ち上がったサービスであり、他のブロックエクスプローラーと比べると注目度は小さいですが、対応しているブロックチェーンのカバレッジの広さが強みのマルチチェーンエクスプローラーです。
主要なブロックチェーンのほぼ全てに対応しています。
CoinMarketCap
CoinMarketCapはランキンキング形式で各ブロックチェーン取引の詳細を表示するブロックエクスプローラーです。各取引所ごとの取扱額やトランザクション数のランキングなどを確認することができます。取引詳細だけではなくマーケット全体の動向をウォッチできる点が特徴です。
CoinMarketCapでは、注目度の高い取引所や人気のある暗号資産が何かをユーザーは見つけやすいため、ブロックチェーン取引が初心者にとっては有用なツールとなります。
サポートしているブロックチェーンは以下です。
Bitcoin, Ethereum, Litecoin, Binance Coin
Blockcypher
Blockcypherはブロックエクスプローラーとトランザクションを作成するためのAPIを提供しています。ブロックエクスプローラーではシンプルなインターフェースで簡単にトランザクションの探索が可能です。また、提供されるAPIによってユーザーのアプリケーション開発を簡単にし、さまざまなツールの連携が可能となります。
サポートしているブロックチェーンは以下です。
Bitcoin, Ethereum, Litecoin, Dogecoin, Dash, Grin
【番外編】パブリックチェーン別ブロックエクスプローラー
ここまではマルチチェーンエクスプローラーを紹介してきましたが、1つのパブリックチェーンのみを扱うシングルチェーンエクスプローラーについても紹介しておきます。1つのブロックエクスプローラーが1種類のブロックチェーンを扱っているため、探索時間が高速化されていたりトランザクションの詳細情報が入手できる点がポイントです。
パブリックチェーン | ブロックエクスプローラー |
---|---|
Ethereum | Etherscan |
Bitcoin | Bitcoin.com |
Solana | Solana Block Explorer |
Cardano | Cardano Block Explorer |
オンチェーン分析プラットフォームについては以下の記事でまとめています。
おわりに
今回は主要なブロックエクスプローラーをピックアップして紹介しました。
ここで紹介したものは全体の一部であり、ブロックチェーンの探索を行うことのできるツールやサービスは数多くあります。ぜひお気に入りのブロックエクスプローラーを見つけてみてください。
このメディアではweb3×データサイエンスについて現役データサイエンティストが情報を発信しています。参考にしていただけた際はSNSなどで拡散よろしくお願いします。
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